店長をご紹介するために、このホームページの管理人が、渋る店長に強引にインタビューしました。
(管理人) いつどこで生まれましたか?
(店 長) 1965年に大阪市内淀川区で生まれたんですけど、その後宝塚市に引越しました。
(管理人) 今の住居は、伊丹市内ですね。伊丹にはいつからですか?
(店 長) 伊丹市に住み始めたんが昨日のように感じるけど、もう15年は超えたなあ。ほんまに年食いました。
(管理人) 店長を見てると、もっと前から、ひょっとしたら縄文時代から伊丹に住んでそうな感じですけど。(笑い) ところで、店長が小さいころは、どんな少年でした?
(店 長) どんな? うーん、そう、とにかくじっとしてるんが苦手で、外遊びが大好きで、朝から晩までそこらじゅう走り回ってましたね。 晩御飯に帰ってけーへんいうて、おかんによう怒られてました。
(管理人) 小さいころから外遊び派でしたか。(笑い) ところで、前から思ってたんですけど、店長は運動神経がいいですよね。
(店 長) 勉強は好きやなかったけど、運動には自信あったんです。中でも短距離走は速かった。 中学のときに、運動靴で50メートル6秒0で走れたんです。陸上部の子より速かったと思います。
(管理人) 運動靴で、50メートル6秒0の中学生! むっちゃ速かったんですね。陸上競技の選手になろうとは思わなかったんですか?
(店 長) 陸上競技の練習って、グラウンドをぐるぐる走っているだけみたいでしょ。退屈そうであまり興味はなかったですね。 それに、縛られるのがいややった。先生とか先輩とか部のルールとかに。自由でいたかったといえばカッコエエんですが、今から思えば少し突っ張ってたんですね。
(管理人) そんな突っ張ってた店長は、たしか若いころからバイクに乗ってましたよね?
(店 長) ええ、高校生のときにバイクを始めたんです。もっぱら峠族をやってたんですが、そのころは全日本のライダーも走りに来てました。 彼らの走りはすごかったですね。大きなナナハンで僕らの400CCをあっという間に抜き去っていきましたね。一瞬ですらついて行けなかった。ショックでしたね。 人間わざとは思えないくらい、すごいテクニックと命知らずぶりでした。プロのすごさでしたね。
(管理人) バイクのレースをやってみる気はなかったんですか?
(店 長) あのころは、ただバイクが好きやから乗ってたんで、レースは自分とは関係のない別世界の人がやるもんやと思ってたんです。 それに、プロのすごさを目の前で見たときからは、とても自分では無理だと思いましたね。
(管理人) 次はいよいよ、店長とカートについてお聞きしますが、店長はいつどうやってカートを始めたんですか?
(店 長) レーシングカートというもんがあることは、前から知ってたんですけど、初めて乗ったんは、24歳のときでした。 キャピタル(スポーツランド)で、知りあいのカートに乗せてもろたんです。びっくりしたなあ。バイクに比べたらカートなんておもちゃみたいに思てたから。 うそやろと思うほど速く感じたんです。目がついていけへんかった。ミッションもないので簡単やと思てたのに、思うように走られへんかった。 そっからです、カートにはまったんは。どうやったらもっと速く走れるんか思って、仕事そっちのけで毎日のようにキャピタルや宝塚(カートフィールド)で走ってた。若かったなあ。 それから今まで、もうこれでいいなんて思ったことは一回もないなあ。カートは奥が深い。
(管理人) その後のカートでのレース活動はどんなものでしたか?
(店 長) 初めて知りあいのカートに乗って、1ヵ月後にカートを購入、6ヵ月後には宝塚のSLレースフレッシュマンクラスに出たんです。 その3年後には近畿地区地方戦FAシリーズに参戦し、優勝したこともあります。結局地方選には2年参戦しました。その後1年ブランクがあって、1995年31歳の時に全日本FAクラスにも出ました。 あのころは一日中カートのことばっかり考えてて、ホンマによう走りました。宝塚で1日300ラップ以上したこともあったなあ。
(管理人) 宝塚の1日300ラップはすごい。さて、次ですが、店長とラムレーシングとの関わりを聞かせてください。
(店 長) もともと、ラムレーシングはショップやのうてカートチームとして活動してました。キャピタル中心でやってましてね。 カート始めてすぐに自分から頼んで、チーム員にしてもらいました。しばらくしたら、チームオーナーがショップを開くことになり、そこの従業員にならないかと誘われたんです。 それで、勤めることになりました。1990年でした。営業開始当初は、カート人口が多く、毎日毎日朝から晩までカートを組んでも注文に追いつかへんかったんです。 そやけどそんな時は、長くは続かなかったな。バブルがはじけたり色々あって、結局1997年、オーナーが突然ショップを閉めるって言うたんです。
(管理人) それを聞いたとき、どんな気持ちでした。
(店 長) どんな気持ちいうても、カートは好きやしチーム員もたくさんいてたからショップを続けてほしいなと思うたけど、 僕なんか一従業員に過ぎんから、オーナーが閉めるいうたら、どうしょうないなあ、次の仕事どうしょうと思った程度です。
(管理人) それがどうして、店長がラムレーシングを引き継ぐことになったんでしょう?
(店 長) 突然の閉店宣言やったんで、当時のチーム員、特に熱心にレースに出てた人たちは困ってしまったようでした。 速いラムレーシングにみんな誇りを持ってたし、よそのショップに移っても今までどおりにはカートは続けられへんと考えてましたね。 それで、何とかチーム員がばらばらにならんように、ラムレーシングが存続できるようにならないかと、僕に引き継いでくれへんかという話になりました。 そやけど、僕には資金もないし、ショップ経営にも自信がないしで、断ってたんです。ところが、宝塚カートフィールドの高台にあったミーティングルームに、 20人以上のチーム員が集まって、その場で全員から、正式に僕に引継ぎいでほしいとの要請があったんです。 それで、僕が引き継いだら、みんなが今までどおりカートできるんやなあと思て、自信ないけどそこまでいわれるんやったら、やらなしょうないかと覚悟を決めたんです。
(管理人) 以来、12年ですね。そのときの店長の決心のおかげで、ラムレーシングは今も存在し、私はそのチーム員でいられわけですね。
(管理人) 今のラムレーシングはどんなチームですか?
(店 長) チーム員の年齢は、10歳から60歳までと幅がとても広いんです。KTエンジンで走る人がほとんどで、SLレース派とホビー派が 半々といったところやね。長引く不況のせいで、チーム員数は減ったけど、10年以上カートを楽しんでいるチーム員が20人近くいてるのが自慢です。
(管理人) どんな方針でラムレーシングを運営してますか?
(店 長) 僕自身が、カートが大好きなんで、同じようなカート好きが、できるだけ永くカートを楽しめるようにするのが一番の方針です。 お金が続かないことが、カートを辞める最大の原因ですから、チーム員一人ひとりの予算に合わせた、リーズナブルなカートライフが続けられるようにサポートしてます。 もっとも、今のチーム員の数では、この方針を続けるのは、僕自身の生活には、とても厳しいて苦しいんやけど。
(管理人) まあ、店長には我々チーム員のために、もう少し苦しんでもらうこととして。(笑い) 他に方針はありますか?
(店 長) カートはスポーツやから、スポーツとして成り立つためのルールについては、厳密に守らなアカンと思てます。野球やサッカーなんかの メジャースポーツと違て、カートのレフリー機能は十分とは言われへんので、チームもチーム員も自発的にルールを守らなあきません。 速かったら何をやってもええんやなんて、絶対考えたらアカンということです。カーターそれぞれが、お互い気持ちよく、いつまでもカートを楽しむには、ドライビングのルール、 レギュレーションのルールを守るのが一番大事です。それから、自分もミスして人に迷惑をかけることがあるんやってことを自覚して、難しいけど、ホンマに難しいことやけど、 できるだけ他人のミスを許すことが大事やと思います。
(管理人) 店長はものすごく子供が好きやと思うんですけど、子供カーターに対する方針ってありますか?
(店 長) 子供の場合、大人以上に言葉や理屈でドライビング技術を理解させるんは難しいんで、できるだけ多く練習周回を走らせて身体で覚えてもらわなあきません。 とはいっても、ただ走っていればいいというのではなく、指導者が毎セションの走行に弱点克服のためのピンポイント課題を与えて、それを意識させながら走らせなあきません。 子供は走りの状況やマシンの状態をはっきりとは理解してない場合が多く、理解してても言葉にできないことがほとんどです。そやから、指導者がその子の走りを見つめ、 詳細に検討して、的確なピンポイント課題を理解しやすい短い言葉で伝えることが大事なんです。
(管理人) 子供カーターを怒ることはありますか?
(店 長) よっぽどひどいルール違反をしたら怒ることはあるけど、普通の子はそんなことはしません。してる子はたいてい大人にやらなアカンと言われてしてるんです。 レースでのドライビングミス、判断ミスや悪いリザルトに対しては、指摘はしても、絶対に感情的に怒ったらアカンと思います。体罰なんかは最悪です。子供が萎縮して、のびのびとした走りができなくなります。 走ることが喜びではなくなり、苦痛に感じるようにり、そしてカートが嫌いになってしまう子もいます。カートは、楽しく走ることが一番です。もちろん大人もそうやけど、子供は特にね。
(管理人) 最後になりますが、チーム員に言っておきたいことはありますか?
(店 長) いつも言うてることやけど、カートはいつもきれいにしとかなアカンと思います。命を預けて走るマシンを大事にすること、これはカーターの基本です。 そうすれば、マシンの異常を早く見つけられるし、気持ちよく他の人からサポートを受けることができます。持っただけで手が汚れるカートは論外です。
(管理人) 苦手なインタビューを、しかも長時間ありがとうございました。これで終わらせていただきます。これからもよろしくお願いします。
(店 長) こっちこそ、これからもどうぞよろしく。失礼しました。